「第3回JABアワード」を受賞
早川ゴムは「第3回JABアワード」を受賞しました。
公益財団法人 日本適合性認定協会ホームページの記事へJABアワード授賞式
「JABアワード」とは、ISO(国際標準化機構)の国内唯一の認定機関であるJAB(公益財団法人 日本適合性認定協会)が2014年よりスタートした表彰制度の事です。
認定・認証制度のさらなる発展を目指すため、優秀企業の活動事例を広く発信し、組織が継続的に認証を維持することの価値を再発見していくとともにあらゆる関係者の新たなモチベーションを喚起することを目的としています。
本年度は、マネジメントシステム認証取得組織の有効活用事例を集め、優れた内容に対して表彰が行われました。
第3回JABアワードの受賞企業は3社であり、これまで第1回:5社と第2回:3社を含めて11企業の受賞のみ。
広島県内でも、ゴム業界においても初の受賞となります。
5万4千組織を超える国内ISO認証企業(※)の中で受賞できた事は当社の長年の功績が評価されたと言えます。
(※)ISO9001、ISO14001など各規格のマネジメントシステム認証組織件数
ISO9001(QMS)=47,741件、ISO14001(EMS)=27,343件 (2016年12月20日現在、JABウェブサイトより)
受賞理由は、全社あらゆる部門での展開が挙げられます。
▽マネジメントシステムを活用した顧客への継続改善
▽ASTIQ活動※やカイゼン提案等による生産性向上や不良削減による毎年数千万円レベルのコスト削減
▽購入先へ「作業要点」「作業異状」の定義を導入し、市場クレームを 2012年 5件から 2016年0件へ削減
▽上記の成果や創業からの長い年月に対して、時代に見合った製品開発、工程管理、品質管理による品質経営推進
今後も「温故挑戦」の言葉通り、“過去に学び未来に挑戦”し、新たな価値を世の中に提案する企業でありたい。
※ASTIQ活動:経営目標の達成に向け、社員の自己成長を目的とした製造現場中心の小集団改善活動。
A:安全 S:5S T:提案 I:IE Q:QC
第 3 回 JAB アワード
【選考理由書】
組織名称:早川ゴム株式会社業種:建設用資材、産業用資材、自動車用品、微粒子関連の製造・販売
従業員数:356名(2016年4月現在)
認証取得:ISO 9001(2001年)、ISO 14001(2002年)
1. 事業特性
1919年に創業、建設、建築、自動車など主として国内業界向けに、ゴム関連を中心に多種多様な製品を設計・製造・販売するB to B型メーカーである。ISO 9001認証は、製品でグループ分けし、化成品・土木グループ(ゴム制振材、ゴム止水材及びゴム水密・気密材)、ファインケミカルグループ(液晶セルスペーサー、導電粒子用基材等の機能性微粒子、レーザー接合用粘着テープ)の両部門が取得している。
2. マネジメントシステムの特徴
第一の特徴は、10年後の将来展望をベースとした中長期計画、年度社長方針を展開し、小集団活動や能力開発を含めたシステマティックな活動を展開していることである。8名の社員からなる未来創造プロジェクトで将来展望を描き、トップ方針のもと、部門別および個人別活動計画に展開し、PDCAサイクルを回している。また、活動の実践に当たっては小集団活動(ASTIQ活動)を効果的に活用している。教育にも力を入れており、特に若手社員については各スキルを4段階で評価した能力開発カードを作成し、これを基に能力開発計画と個人別業務計画を一体化している。
第二の特徴は、カイゼン提案制度や「作業の要点/異状の定義」を運用し、品質マネジメントシステムの継続的改善やリスク管理に活用していることである。カイゼン提案制度については、一人年間3件以上を目標とする社長指示のもと活性化に取り組み、年間3000件を超える提案がある。部門長および提案委員会の評価を通じ、各部門の活動に活かされている。また、「作業の要点/異状の定義」は、検査を含む各工程作業の要点とともに、異状の判定基準と異状発生の際の一次的対処事項が記述されたものである。各工程の現場で掲示されるとともに、部品調達先への導入も図られ、不良品の発生防止に役立っている。
第三の特徴は、チャレンジを奨励する行動指針のもと、新製品開発に積極的に取り組むとともに、工程ごとに関連部門が連携してレビューを行い、トラブル防止を図っていることである。顧客打合せシートを起点に、テーマ・基本仕様設定から初品に対するアンケート調査までの9工程について、レビューを実施し、品質の確保に万全を期している。
3. 成果
結果として、ASTIQ活動やカイゼン提案等による生産性向上や不良削減により、毎年数千万円レベルのコスト削減を果たしている。また、市場クレームについては、購入先への作業の要点/異状の定義の導入などにより、2012年5件から2016年0件への削減に成功している。さらに、新製品(本格販売より5年以内)については、2008年に対売上高比率30%以上を目標として設定した以降、毎年これを超える実績を果たし、最近では50%以上になっている。これらにより、一時下がった売上高についても、2割増を実現している。
以上、早川ゴム株式会社の活動は、事業の特性に応じた特徴のある品質マネジメントシステムを構築・運用することで着実な効果をあげており、高く評価できる。